
抹茶はいま米国で最も勢いのある日本発の食材のひとつです。カフェのラテから小売、ECまで需要が広がる一方、供給が追いつかず価格は上昇しています。ブームを一過性で終わらせず商機に変えるには市場の実態と、供給難のなかでの売り方を押さえる必要があります。
2025年の日本の緑茶輸出は12,612トンと前年比で約1.4倍、金額では721億円と前年の約2倍に達しました。抹茶を含む粉末状の緑茶が輸出額で最大の区分を占め、最大の輸出先は米国です。抹茶が緑茶輸出全体を牽引している構図がはっきりと表れています。
抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)は日本の茶葉のうちわずか6%ほど。茶農家は2000年の約5.4万戸から2024年には約1.2万戸へ減り、担い手の高齢化も進んでいます。石臼は1時間に約40グラムしか挽けず、増産にも限界があります。2024年の猛暑で収量が落ち、京都の碾茶取引量は前年から約4割減少しました。需要が伸びる一方で供給は簡単には増えず、価格は上がっています。
供給が絞られる局面では「安定して届けられること」そのものが価値になります。等級や産地の透明性、有機・JASなどの認証、そして欠品させない供給体制。ブームに乗って安売りするより、品質と信頼で選ばれる関係を作ることが長く売れ続ける近道です。