
米国の小売・卸のバイヤーは、商品の良し悪しだけで採用を決めるわけではありません。「安全に、手間なく、確実に仕入れられる相手か」を、実務的な条件で判断しています。
日本ではあまり意識しない書類や仕組みが、採用の前提条件になることも少なくありません。ここでは、新規ブランドが最低限そろえておきたい条件を整理します。
食品・飲料を米国に輸出する場合、製造施設のFDA登録が必要です。加えて、輸入者にはFSVP(外国供給者検証プログラム)への対応が義務づけられています。
FSVPは、輸入者が「供給元の工場が米国の安全基準を満たしているか」を検証し、記録する仕組みです。これが整っていないと、通関や取引の段階で止まってしまいます。バイヤーも、こうした体制が整った取引先を好みます。
大手・中堅チェーンでは、新商品の陳列料(スロッティングフィー)が発生することがあります。目安は1店舗・1商品あたり250〜1,000ドル程度で、チェーン単位では5,000〜75,000ドルに及ぶこともあります。
加えて、初回の無償納品や販促協賛など、表に出にくいコストが実際の参入費用を押し上げます。まずは、スロッティングフィーがかからないことの多い専門店や独立系の店舗から始めるのも、現実的な方法です。
条件がそろったうえで、バイヤーが重視するのは「売れる根拠」と「継続して供給できるか」です。たとえば、次のような点が見られます。
書類はあくまで入口にすぎず、最後は店頭で売れる商品かどうかで決まります。準備を整えたうえで、少量でも実績を作ることが、次の採用につながります。
※保険の補償額や陳列料は一般的な目安です。実際の条件は取引先ごとに確認が必要です。